日本仲裁人協会の主な活動成果は、以下のとおりです。
「仲裁の日」記念行事セミナーの開催(2024年3月12日):「投資家対国家紛争(ISDS)の新潮流~投資協定仲裁及び投資協定調停の近時の展開」
2024年3月12日、「仲裁の日」記念行事セミナーとして、上記タイトルのセミナーを、法務省、日本弁護士連合会(日弁連)、日本国際紛争解決センター(JIDRC)との共催により、日本弁護士連合会会館で開催しました(Zoom併用)。セミナーにおいては、岡田春夫理事長及び松田純一日弁連副会長による開会挨拶に引き続き、国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)のAnna Joubin-Bret事務局長及び国際投資紛争解決センター(ICSID)のGeraldine Fischer上級法務官が来日し、ICSID及びUNCITRALの紛争解決分野における近時の動向についてそれぞれ基調講演を行いました。その後、Judith Knieper UNCITRAL法務官、茅野みつる先生、Hi-Taek Shin先生、Joe Tirado先生、鈴木五十三常務理事及び小原淳見常務理事によるパネルディスカッションが行われ、最後に、佐久間総一郎JIDRC理事長から、JIDRCのこれまでの活動の総括を兼ねた閉会の挨拶がありました。投資家対国家紛争が世界的に増加傾向にある中、第一線で活躍する内外のパネリストを招待してその近時の動向についての議論を深めたことで、投資紛争の解決ツールとしての仲裁及び調停への理解を深めるための貴重な機会となりました。なお、このセミナーの詳細な報告が、Global Arbitration Reviewにて公開されています(Emerging ISDS trends explored in Tokyo – Global Arbitration Review)。
京都国際調停センター設立5周年記念セミナー開催の報告
2023年11月20日、京都国際調停センター(JIMC)は設立5周年を記念してセミナーを開催しました。場所は同志社大学の寒梅館ハーディーホールで、Zoomウェビナーとのハイブリッド形式で行われました。セミナーのテーマは「調停の進化 -5年間の振り返りと未来の展望」でした。
JAAの岡田春夫理事長と同志社大学副学長の高杉直理事による開会挨拶に続き、国際的に著名な調停人であるAntonio Piazza氏がビデオメッセージで参加しました。続いて、JIMCセンター長を務めるJAAの手塚裕之副理事長が基調講演を行い、パネルディスカッションでは、モデレーターのLars Markert先生と川島裕理先生の進行のもと、Michael Molitoris氏、Haig Oghigian氏、Daniel Pulecio-Boek氏、高取芳宏常務理事、Lok Vi Ming氏が、調停の現状と未来について活発な議論を交わしました。
セミナー終了後、寒梅館内の「Hamac de Paradis」で行われた懇親レセプションが開催され、交流を深めました。
JIMCの過去5年間の成果を振り返り、国際調停の未来に向けた展望を共有する貴重な機会となりました。
仲裁・ADRフォーラム Vol. 8
当協会は、2023年3月25日付けで「仲裁・ADRフォーラムVol. 8」を発行いたしました。本書は、当協会の研究委員会が不定期に開催する研究講座における報告内容を題材としたものであり、仲裁・ADRに関する最新実務や学説を幅広く取り扱ったものとなっております。
本書が、我が国における仲裁・ADRの発展に寄与することを心より祈念しております。
「仲裁の日」記念行事セミナーの開催(2023年3月14日):「シンガポール、中国、韓国における民間商事調停利用の実情とシンガポール条約の未来」
2023年3月14日、「仲裁の日」記念行事セミナーとして、「調停による国際的な紛争解決契約に関する国連条約」(通称シンガポール条約)の我が国による承認をにらみ、上記タイトルのセミナーを、日本弁護士連合会会館で開催しました(Zoom併用)。セミナーにおいては、シンガポール、中国及び韓国の代表的な民間国際調停機関であるSingapore International Mediation Centre (SIMC)、Shanghai Commercial Mediator Center(SCMC)及びKorean International Mediation Center(KIMC)の責任者が来日し、それぞれ各国の民間商事調停の利用状況について報告しました。その後、京都国際調停センター(JIMC)のセンター長である手塚裕之弁護士(JAA副理事長)も交えて、民間国際商事調停利用のメリットや調停人の養成についてパネルディスカッションが行われました。今後、国際的な取引にかかる紛争解決の手段として調停が増加することが見込まれるところ、アジアにおける国際調停機関の代表者が日本に集まるのは初めての機会であり、将来のさらなる協力関係構築の可能性が議論されました。
京都国際調停センター創設4周年記念セミナー開催の報告
2022年11月21日、当協会が運営する京都国際調停センター(JIMC)の創設4周年を記念し、記念セミナー「模擬調停の実演と解説」を開催しました(会場:同志社大学今出川キャンパスの教室、Zoomウェビナーとのハイブリッド形式)。基調報告として、JIMC-SIMC(シンガポール国際調停センター)のジョイントプロトコルの第一号案件の共同調停人を担当し、成功に導いた髙取芳宏常務理事とGregory Vijayendran氏(オンライン参加)が、国際調停に関する解説を行いました。続いて、模擬調停においては、SIMCのCEOであるChuan Wee Meng氏と髙取芳宏常務理事が共同調停人となり、JAA会員らが当事者役と代理人役となる調停ロールプレイが実施されました。また、調停ロールプレイの各段階において、SIMCのセンター長であるGeorge Lim氏が実務的な解説とコメントを行いました。セミナー後はキャンパス内の飲食施設に場所を移してレセプションが行われ、交流に花を咲かせました。
英国仲裁人協会(CIArb.)・日本国際紛争解決センター(JIDRC)との共同による、国際仲裁資格認定コース(中級)開催
2022年7月15日、当協会は、一般社団法人・日本国際紛争解決センター(JIDRC)とともに、世界で最も権威があり認知されている国際仲裁人養成・研修機関の1つである「英国仲裁人協会(The Chartered Institute of Arbitrators : CIArb.)」の資格認定コースを開催いたしました。本資格認定コースは、2021年12月、当協会、CIArb.及びJIDRC間において締結したMemorandum of Understanding(協定書)に基づく内容であり、我が国において国際仲裁を担う人材の育成を意図するものです。本コースは毎年継続的に開催することを予定しており、当協会は、今後とも、CIArb.及びJIDRCとの連携を更に強化し、我が国において国際仲裁実務を担う人材の養成を含む国際仲裁の振興と利用の拡大を図って参ります。
2020年改正版IBA国際仲裁証拠調べ規則及び同規則に関する注釈の日本語訳の作成
国際法曹協会(International Bar Association:IBA)が公表している「IBA国際仲裁証拠調べ規則(IBA Rules on the Taking of Evidence in International Arbitration)」(「IBA証拠規則」)は、国際仲裁実務において広く受容されてきました。当協会は、プロジェクトチームを組成し、2020年12月にIBA理事会決議により改正が承認された2020年改正版IBA証拠規則及び同規則に関する注釈(Commentary on the revised text of the 2020 IBA Rules on the Taking of Evidence in International Arbitration)の日本語訳をそれぞれ作成しました。
IBA証拠規則及び同規則の注釈の日本語訳は下記のIBAのウェブサイトでご覧になれます。
» IBA guides, rules and other free materials | International Bar Association
「仲裁の日」記念行事セミナーの開催(2022年3月17日)
2022年3月17日、「仲裁の日」記念行事セミナーとして、仲裁法改正及びそれを踏まえた今後の日本の仲裁・ADRの振興・発展についての基調講演及びパネルディスカッションを開催しました(会場:日本国際紛争解決センター東京施設。ZOOMによる視聴も併用)。岡田春夫理事長による開会挨拶と手塚裕之副理事長による基調講演に引き続き、山本和彦一橋大学教授、出井直樹理事、髙畑正子先生及び小原淳見先生によるパネルディスカッションが行われ、会員にとって仲裁・ADRをめぐる最新動向をめぐる貴重な情報を得る機会となりました。また、海外の著名仲裁実務家2名からも、ビデオメッセージが寄せられました。
JAA関西支部・JCAA大阪事務所共同主催による「模擬国際仲裁セミナー ―JCAAの迅速仲裁で、より速く、より安く―」の開催(2021年12月8日)と動画配信
2021年12月8日、JAA関西支部は一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)大阪事務所との共同主催によりウェビナー「模擬国際仲裁セミナー ―JCAAの迅速仲裁で、より速く、より安く―」を開催いたしました。JAA関西支部は、JCAA大阪事務所の全面的なご協力を得て、総力を挙げて脚本から作成し、リハーサルを繰り返し、半年以上の準備を重ねました。
本模擬仲裁は、日中間の国際紛争に関して、契約締結段階、紛争が生じる段階、JCAAの迅速仲裁手続を利用した仲裁申立てから仲裁判断までの一連の流れを、各手続のポイントごとに寸劇と解説を交えて紹介しています。本模擬仲裁の成果であるウェビナーの動画は、JCAAのご協力により、JCAAのウェブサイトにてYouTubeに配信されています。
» https://www.jcaa.or.jp/seminar/video.html
( » https://www.youtube.com/watch?v=QwWSR6HNyAg )
英国仲裁人協会(CIArb.)との協定書締結
2021年11月30日、当協会は、一般社団法人・日本国際紛争解決センター(JIDRC)とともに、世界で最も権威があり認知されている国際仲裁人養成・研修機関の1つである「英国仲裁人協会(The Chartered Institute of Arbitrators : CIArb.)」との間で、国際仲裁の振興、研修等において相互に協力することを定めるMemorandum of Understanding(協定書)を締結しました。当協会は、CIArb.と従前より友好な関係を構築し、セミナーの相互後援等行ってきましたが、この協定書の締結によってCIArb.との連携を更に強化し、認証コースやセミナー・研修会の共同開催等を積極的に行うことによって、我が国において国際仲裁実務を担う人材の養成を含む国際仲裁の振興と利用の拡大を図って参ります。
シンガポール国際調停センターと、JIMC-SIMC Joint Covid-19 Protocolに関する覚書を締結しました。
当協会は、アジアの国際調停をリードするシンガポール国際調停センター(Singapore International Mediation Center, SIMC)との間で、当協会が運営する京都国際調停センター(JIMC-Kyoto)とSIMC間のJIMC-SIMC Joint Covid-19 Protocolに関する覚書を、シンガポール国際商事調停条約が発効した記念すべき日である2020年9月12日に署名しました。
JIMC-SIMC Joint Covid-19 Protocolは、コロナ禍におけるオンラインによる迅速かつ効果的な国際商事紛争解決を目指して、国際的な紛争解決センターが国を超えて連携する、世界初の試みです。このProtocolにより、コロナ禍における日系企業やシンガポール系企業の国際商事紛争の迅速かつ効果的な解決が、更に促進されるものと考えられます。
なお、本年11月20日、JIMCの2周年にJIMC-SIMC Joint Covid-19 Protocolの正式発足記念式典を開催する予定にしています。
シンガポール国際仲裁センターと協定書締結
2019年6月4日、当協会は、世界を代表する仲裁機関の一つであるシンガポール国際仲裁センター(Singapore International Arbitration Centre:SIAC)との間で、国際仲裁の振興に向けた相互協力に関するMemorandum of Understanding(協定書)を締結しました。当協会は、この協定書の締結によって同センターとの連携を強化し、国際会議やセミナー・研修会の共同開催等を積極的に行うことによって、我が国における国際仲裁の振興と利用の拡大を図って参ります。
国際仲裁シンポジウム「日本における国際仲裁の躍進‐日本国際紛争解決センター(JIDRC)のインパクト‐」の開催
2018年12月15日、当協会及び慶應義塾大学大学院法務研究科主催の国際仲裁シンポジウム「日本における国際仲裁の躍進‐日本国際紛争解決センター(JIDRC)のインパクト‐」が慶應義塾大学三田キャンパスにおいて開催されました。
当協会理事長(川村明)が基調講演を行ったほか、当協会の常務理事、理事、会員がパネリストを努めました。
要望書作成
- 国際ADR活性化のための外弁法改正等法整備に関する要望書(2018年8月24日付け)
- 京都国際調停センター(仮称)設立に向けての要望書(2017年6月2日付け)
- 日本における実効的な国際紛争解決のためのインフラ整備に関する要望書(概要)
日本における実効的な国際紛争解決のためのインフラ整備に関する要望書(2017年3月21日付け)
要望書添付1
要望書添付2
要望書添付3
要望書添付4
要望書添付5
慶應義塾大学大学院法務研究科との協力協定締結
2018年6月18日、当協会は慶應義塾大学大学院法務研究科との間で、国際仲裁の普及ならびに国際仲裁人材養成に関して協定書を締結しました。これは、「司法国際化」、特に国際仲裁の活性化のための基盤整備を目指す政府と社会の要請に応えるものであり、当協会としては、教育機関との連携としては、同志社大学法学部との間の京都国際調停センター設立に続くものであります。
» 法務研究科と公益社団法人日本仲裁人協会が、国際仲裁の普及および国際仲裁人の養成に関する協定書を締結(慶應義塾)
同志社大学大学院法学研究科及び同司法研究科と協力協定締結
2017年12月1日、当協会は同志社大学大学院法学研究科及び同司法研究科との間で、京都国際調停センターの運営等の協力に関する協定書を締結しました。京都国際調停センターは、日本初の国際調停用常設施設を備えた調停専門機関であり、同大学の全面的な協力を得て、本年夏、開設予定です。当協会は、国際調停の実施に加え、国際調停に関する教育・研究や国際調停に携わる人材の育成面でも同大学と連携・協力して参ります。
写真:同志社大学提供
ロシア Institute of ModernArbitration との友好協力協定
2017年9月6日、安倍首相やプーティン大統領らも出席したウラジオストックの東方経済フォーラム会場において、公益社団法人日本仲裁人協会は,ロシアで仲裁センターを展開するthe Autonomous Non-Profit Organization, Institute of ModernArbitrationと両国間の国際仲裁の振興を目的とする友好協力協定を締結しました。写真は、連邦法務省副大臣Mikhail Galperin氏の陪席を得た署名式の光景。
経済産業省 受託事業
「ICSID条約第13条に基づく仲裁人及び調停人の指名に向けた調査・分析に関する委託調査報告書」
(投資協定仲裁委員会、2014年3月31日)
日弁連法務研究財団 研究事業
「国際家事事件(とくに国際的子奪取案件)の専門的な調停スキームの研究」
(日本仲裁人協会国際家族法PT、2011年10月1日~2013年9月30日)
教材製作
「調停人養成教材2006年度版(一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)と共同製作)」(2006年)